これからオーストラリアで出産を控えている方、特に初めての出産の方は色々不安なことがありますよね。
出産という初めての体験に慣れない言語、日本とは違う文化。
日本にいる友達の出産体験とは違うかもしれません。
妊娠、出産という女性の人生での一大イベントを海外でされる方、きっととっても不安ですよね。
そしてまだまだ日本人の割合は少ないオーストラリア。
一つでも多くの出産エピソードを聞いておきたいのではないでしょうか。
私はオーストラリアの病院で3人の子供を出産しているので、3パターンの出産エピソードがあります。
今回は私の出産体験談、オーストラリアの病院での過ごし方、日本とは違う新生児のケアの仕方などをシェアしますのでよかったら出産前の心の準備をするのに役立ててください。
陣痛か破水があったら病院に連絡
オーストラリアでは陣痛が10分間隔くらいになったら病院に電話するように言われます。
破水があったら電話してすぐ病院へ。
日本では」「陣痛にはバファリン」など言われませんが、オーストラリアでは病院に電話した時に「痛かったらパナドールでも飲んで」と言われました。
1人目の時は半信半疑で飲みましたがもちろん効かず、2人目の時は効かないと分かっていたので飲まず、3人目では気休めと思って飲みました。
結果は変わりません(笑)
そして日本では陣痛時のタクシーの利用は断られると聞きましたが、オーストラリアでは断られることはありませんでした。
第一子、第二子の出産時は車を持っていなかったのでタクシーとUberを利用。
一応破水した時のためにゴミ袋とバスタオルをお尻の下に敷いておき、一人目の時は痛さに悶えてシートベルトもつけられませんでしたが何も言われず、運転手のおじさんは「Good luck!」と言ってくれました。
オーストラリアでの無痛分娩体験、難産だった第一子の場合
第一子の出産は無痛分娩でした。
オーストラリアでは無痛分娩は、「普通分娩」というカテゴリに入ります。
どうやって産む予定ですか?と聞かれたら、無痛分娩でも普通分娩と伝える必要があります。
無痛分娩の痛みはというと・・・
麻酔をするまでは痛みで泣き叫びました。
病院に着いてから生まれるまでの時間は22時間!麻酔無しで耐えた時間は18時間。
「無痛」と言っても出産の全てが無痛というわけではなく、人によっては陣痛を我慢する時間の方が長いこともあります。
無痛分娩は子宮口が開かないと麻酔できない
初めての出産で子宮口が開きにくく、陣痛は結構痛いのにも関わらず子宮口はほとんど開いていない状態。
子宮口がある程度開いていないと麻酔が打てないので、泣きながら陣痛に耐えていました。
痛すぎるのでナースにモルヒネと笑気ガスをもらいましたがほとんど効果なし。
笑気ガスは勢いよく息を吸わないといけないので陣痛中は苦しく、2人目と3人目の時は無しで過ごしました。
麻酔までの待ち時間がかなり長いので、Mid wifeには歩いたり、バランスボールに乗ったりして動くことを勧められましたが陣痛が痛すぎるので「正気か!?」と思ってしまいました。
普段の生活ではお腹が痛かったら横になるのに、人生一番の痛みの中動くなんて考えられませんでした。
硬膜外麻酔、人工破水、吸引分娩、鉗子分娩全て体験
出産前日の夜10時に病院に着いたものの、子宮口があまりにも開かないので翌日の昼12時くらいに人工破水。
その後シャワーを浴びてリフレッシュするよう伝えられる(絶対無理と思いながら渋々シャワー、痛くて立ち上がれない)
さらに痛みが増す中、Midwifeにお風呂に入るよう勧められる。入浴中はドクターやナース、Midwifeなどいろんな人がいましたがパニックで誰が誰だかわからず。
ようやく硬膜外麻酔(エピジュール)をしてもらえたら嘘のように痛みが消えてリラックスしたのもつかの間、麻酔が効きすぎたようで血圧が急降下、ドクターやナースがバタバタしはじめる。
その後赤ちゃんの回旋異常が見つかりうまくでてこれず、緊急帝王切開の可能性が出てきたので書類にサイン、手術室に行き、吸引分娩にトライ。
出て来ないので鉗子分娩に切り替え、無事に出てきたので帝王切開は避けられました。
帝王切開に備えて年の為麻酔を追加したので、翌朝まで動けずベッドの上で過ごしました。
オーストラリアでの普通分娩体験、スピード出産の第二子の場合
1人目の出産がトラウマのまま第二子を出産することに。
朝方に破水か尿もれか分からない水が出てきて同時にトイレに行きたい(いきみたい)感覚が出てきて一応病院へ。
2人目の時は呼吸がとても大事ということを学んでいたので、病院に向かうウーバーの中でいきみ逃しの呼吸。
2人目の時は車いすを用意してくれました。
2人目は子宮口の開きが早いと聞いていたので、病院に着いたらすぐに麻酔が打てるかもと期待していましたがなんと着いてすぐに言われたのが「もう子宮口が9センチ空いてるからToo late!麻酔は間に合わない」と言われ崖から突き落とされたような気持ちに。
ベッドを半分起こしたような形にリクライニングしてくれて、両膝を立てた姿勢になったら勝手にいきみが!
出てくる瞬間は痛かったですが、陣痛の痛みはあまりなく(一人目の半分以下の痛み)なんと病院に着いてから40分後には産まれていました!
そしてまたもやシャワーを勧められ、出血して顔面蒼白のままシャワーへ。
オーストラリアでの無痛分娩体験 第三子の場合
何人産んでも出産は怖いですが、3度目の出産はは2人の子供を抱えていたこともあり妊娠中は一番よく動き、ソフロロジーの呼吸や痛みを感じにくい心の持ちようを色々調べて挑みました。
今回は麻酔が間に合わないという事態は絶対避けたかったので、お腹の張りに注意し、旦那にも陣痛が来たらすぐ病院に連れて行ってもらえるよう準備しました。
3人目は全てが完璧なタイミングで、2人の子供が保育園にいるタイミングで陣痛が来て2時間陣痛、2時間は麻酔が効いている状態で苦しい時間も少なくまさに理想的な出産となりました。
すでに上二人の子供がいてスケジュール調整が難しいので計画分娩を希望しましたが、公立病院では医療的な問題が無い限りは計画分娩は選べないそうです。
オーストラリアの公立病院では、日本のように隣の部屋で出産している人の声が聞こえたりはしませんでしたが、麻酔科医が他の妊婦さんの麻酔をかけ持っていることがあり、無痛分娩用の麻酔ができるタイミングになってもすぐに麻酔科医が来れない場合もあります。
私の場合は麻酔ができる状態になってから30分待ったので、そこが一番きつかったです。
出産後はお決まりの「シャワー浴びてきたら?」
無痛分娩で色々なことがスムーズにいった第3子は、産後もかなり余裕があり、出産してすぐに大きなハンバーガーのセットを食べ、寝ているわが子と写真を撮る余裕もありました。
オーストラリアの新生児のケア
産後すぐはオーストラリア定番のカンガルーケア。
パパにへその緒を切るように勧められ、まだ体に脂がついたままの状態で母子の触れ合い、数分間ほど抱っこします。
そのご病院用の服を着せられ病院のおくるみに包まれます。
産まれた翌日にはドクターが健康状態のチェック、排せつ回数などを報告します。
2,3日母乳が出なくても基本的には粉ミルクはあげません。
新生児は3日程何も飲まなくても生きていける栄養を備えて産まれてくるとのこと。
生後2日目くらいには聴覚検査や血液のチェックがありました。
お風呂は入れたければ入れさせてもらう、入れなくてもよいという感じでした。
一人目の出産の時は沐浴の仕方も分からなかったので、沐浴の仕方を教えてもらいました。
オーストラリアでの産後の入院中過ごし方
オーストラリアの病院は出産した当日から母子同室。
入院中は赤ちゃんと一緒に病室で過ごしますがこれもまた過酷!
休む暇もなく赤ちゃんと24時間一緒に過ごします(出産当日はほとんどの赤ちゃんがよく寝るそうです)
母乳が出なかったり胸が張って痛いときは、冷やしたキャベツを胸に当てるか、濡らした生理用ナプキンを冷凍庫で凍らせて胸に当てるよう言われました。
実際に胸が張って痛くて眠れなかったので、冷やしたキャベツを病院でもらいました!
その他、楽な授乳の姿勢やおむつの変え方、おくるみの使い方など分からないことは聞けば何でも教えてもらえます。
日本で主流のドーナツクッションはオーストラリアでは使っている人はいませんでしたが、出産前に日本から送ってもらうと重宝します。
入院日数は?
オーストラリアでは産まれたその日から母子同室、母子ともに問題が無ければ24時間くらいで帰って良さそうですが、「いつ帰りたい?」と聞かれます。
自分で決めるの?とびっくりですよね。
産後は疲れているので3,4日は病院で家事もせずゆっくりしたいところですが、新生児黄疸が出た1人目以外は2泊ほどで帰りました。
病院食は?
日本のようなお祝い御膳は出ませんが、何を食べるか選べるようになっているので肉や野菜、豆など好きなものを食べれます。
退院後は家事が待っているので、何も作らなくても食事が出てくることはとても幸せでした。
ただ、産後はとにかくお腹が減るのと、赤ちゃんのお世話で疲れるので、旦那さんにお菓子や夜食に食べれそうなものを持ってきておいてもらうと良いです。
オーストラリアで出産後の手続きについてはこちらの記事もお読みください。
まとめ
3人の出産の様子を書きましたが、全員出産のパターンは違いました。
オーストラリアの出産について、全ての病院で共通しているのは入院期間が短いこと、普通分娩の場合は産後すぐシャワーを勧められる、赤ちゃんは産まれてすぐにカンガルーケア、入院中は常におくるみでした。
そして8時間ごとに交代するナースは都市にもよりますがたまに日本人の場合もあります。
また、こちらでは出産前に無痛分娩と伝えなくても、当日陣痛が辛ければ麻酔を頼めるので気軽に無料で無痛分娩ができます。
たまに聞く「麻酔の注射が痛かった」「麻酔の前の尿カテーテルが痛かった」などのことは私にはありませんでした。
おおらかなお国柄なのでドクターやナースも雑かもしれないと思いきや、みんな丁寧な作業で優しくケアしてくれました。
日本でたまに聞く、助産師さんに怒られた、なんてことも一度もありません。
これからオーストラリアで出産する人のための参考にならば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。