オーストラリアにワーホリに来たらまずやることの一つが仕事探し。
給料は世界最高水準の為、最近ではオーストラリアでの出稼ぎも話題になっていますね。
でも気をつけてください、特に英語が苦手な方。
オーストラリアにはキャッシュジョブや違法な給料で働かせる悪徳雇用主がたくさんいます。
そして被害にあうのは英語がうまく話せなかったり、その国の法律に詳しくない外国人です。
オーストラリアに来た私たち日本人のほとんどが最初は英語がうまく話せず、しかも真面目に働くのでブラック企業の悪徳雇用主にとっては最高の餌食になります。
そしてワーキングホリデーはこの国では弱い立場になってしまいます。
理由は同じ雇用主の元で働けるのは6ヵ月以内という法律があるから。
そして英語力がないとさらに弱くなってしまいますね。
今回は私が実際に働いてみたオーストラリアのブラック企業3つの記録を記事にしてみたので、皆さんが同じような目に合わないように参考にしてみてください!
オーストラリアのストロベリーファーム
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私が初めて体験した悪徳雇用主は、パースの外れにあるストロベリーファーム。
オーストラリアでワーホリのセカンドビザを取得するには政府が指定するファームで88日間働かなくてはいけません。
私がファームに行くことを決めたのはオーストラリアに来て7か月目だったので、働かない日も含めて88日間にカウントしてくれるところがいいと知人達にアドバイスをもらっていました。
ストロベリーファームは大変と聞いていましたし、歩合制なのが気にはなりましたが人生のうちのたったの3か月!と思って今住んでいるところから車で1時間強のファームに決めました。
そこで色々衝撃を受けます!
ファームのアコモデーション
アコモデーションはプレハブの約4畳半ほどの部屋に2段ベッドと棚のみ。
床は砂だらけ。
ファームなので砂は仕方ないのかもしれませんが、靴を脱げる場所はベッドの上しかありませんでした。
キッチンはキャンプ場のような、半分野外のタイプ。
シャワーは離れにあるので冬は寒い!
そして一番衝撃的だったのはトイレの個室のドアが無い!!
さすがに男女は別々ですが、用を足している時に目の前に人が通り過ぎたりします。
歩合制ファームは稼げない
今からファームに行く人がいるなら伝えておきます。
歩合制のファームはやめた方がいいです!
歩合制の給料は仕事がかなり早くない限り、時給制の給料よりは安くなるということは聞いていましたが、ファーム初心者のワーホリ労働者がすると、最低賃金を大きく下回る給料になってしまいます。
給料からアコモデーション代やタックスなど引かれるので、仕事が少ない週は手取り100ドル以下ということもザラにありました。
そして1週間~10日間ほど仕事が無いことも何度かあったので、貯金はどんどん底をついていきます。
食べるものはインスタントヌードルやサンドイッチばかりになりました。
雇用主とのトラブル
悪徳雇用主とは知らずに働いたらトラブルが!
ファーム滞在期間に一時帰国のためのチケットを購入し、88日の期間が終わる数日前にマネージャーにもうすぐ88日たつことを報告しました。
すると私が伝えた最終日だと一日足りないと言われ、もう一日働きました。ところが最終日に彼女から、「あなたはまだ30日ちょっとしか働いてないからだめよ」と言われました。
当時は私の英語力も低く、話が違うと訴えましたが聞いてもらえませんでした。
滞在中は仕事がないDay offの日がたくさんありましたが、会社のウェブサイトの情報ではDay off も88日間のうちにカウントすると書いてあり、初日にはスーパーバイザーに直接そのことを確認しました。
その時すでに私のビザが切れるまであと2か月。
このまま滞在していたら88日の勤務日数に達する前にビザが切れる可能性が高く、ファームで無駄に働いてビザが切れて帰国という事態になりかねませんでした。
ラッキーなことに、オーストラリアに20年ほど住んでいる彼氏(今の私の旦那)が抗議してくれて、それでも聞き入れてもらえなかったので、彼がオーストラリアのFair Work(違法な賃金、不当な解雇など雇用主とのトラブルを相談するところ)という機関に報告してくれました。
その旨をマネージャーに伝えるとあっさりサインをくれました。違法なことをしている自覚はあったようですね。
学んだこと
ファームは歩合よりも時給制がいいこと、リサーチをしっかりしてできれば誰かの紹介で行くのが一番です。
違法なファームもたくさんあるのでとにかく信頼できる場所で働くのが大切です。
また、仕事外の時間はワーホリの労働者以外誰もいないファームもあるので、犯罪も起きやすく、ドラッグをやっている人も少なくありません。
ちなみにいろんな方のブログでも、ストロベリーファームはやめた方がいいとのことでした。
特にクイーンズランドにあるカブルチャーのストロベリーファームは日本人向けに求人を出していますが評判は最悪です!
コロナ後の歩合制ファーム事情の追記
コロナ後はファームの人手不足により、歩合制のファームでも最低時給は保証されるよう法律が変わりました。
なので生活できないほどの安い給料になることはないようですが、仕事が遅いと容赦なくクビになる可能性も増えてきたようです。
仕事が早い人にとってはいい環境になりましたが、体力やスピードに自信が無い人は時給制のファームがおすすめです。
シドニーの日系美容室での仕事
次に私が体験したブラックな職場は、シドニーにあった日系美容室です。(日系美容室の全てがブラックなわけではありません)
もう廃業になりましたが、私が働いていた当時はこんな感じでした。
給料が安い
面接の際、私は妊娠中だったので丸一日(10時間営業)ではなく8時間勤務をしたいと申し出ました。
そこで時給を聞くと、言われたのが「日給100ドル」。
営業時間が10時間なので、「では時給10ドルですか?」と聞くと、「うちは日給で払っていて日給100ドル」の一点張り。
給料を自分で計算したところ私は1日8時間働いて80ドル貰っていたので、実質時給は10ドルでした。(当時のシドニーの最低賃金は約17ドル)
ただ、長時間労働、低賃金に慣れてしまっている日本の美容師は低賃金でもそんなものだろうと受け入れてしまう人も多いのが当時の現実でした。
日系悪徳雇用主の口癖は「昔はもっと給料が安かった。日本よりは貰えてる。」です。
給与明細をくれない雇用主
当時の店長は学生ビザで滞在していたので法律上、週に20時間以上は働けないことになっています。
でも実際は10時間×週5勤務だったので、20時間分の給料を銀行振り込み、残りの分はキャッシュで受け取っていました。
他のスタッフは全員ワーホリなので労働時間は無制限のはずですが、店長よりも他の従業員が給料が高くなるのはおかしいとのことで、私たちも20時間分の給料は銀行振り込み、その他はキャッシュで受け取っていました。
給料を正しくもらっているか確認したくても給与明細をもらえず、店長に言っても彼ももらったことがないとのこと。
給与明細の改ざん
永住権ビザの申請のため、給与明細が必要なので社長の携帯にメッセージを送りましたが3日待っても返事はなし。
ビザのため政府に給与明細を提出しないといけないので給与明細をいただけますか?」と送ると数日後にお店に給与明細が送られてきましたが、見てびっくり。
時給が最低賃金の額(約17ドル)支払われていることになっていました。
そうすると実際に受け取っていた金額と合わなくなるので、働いた時間を大幅に少なく記録して辻褄を合わせようとしていました。
学んだこと
子供が産まれるまでの短期間だけ働く予定だったので、今回はフェアワークにも訴えるつもりはありませんでしたが、過酷な労働環境に慣れている日本人美容師は割とブラックなサロンでもこんなものだと受け入れてしまうことが多いように思いました。
日系企業でも英語を話せない、オーストラリアの事情を知らない人たちをターゲットにした悪徳雇用主はたくさんいるので気をつけましょう。
シドニーのキャッシュジョブな美容室とパワハラ
こちらはまたもや最低賃金以下ではありますが、他の二つと比べてブラック度は低めです。
ただしストレス度はナンバーワンでした。
ここも美容室ですが、私が1年働き続けた理由は韓国人のオーナーの技術がびっくりするほどうまかったからです。
いろいろ教えてもらったことには感謝していますが、ここに長くいたら身も心も持たないと思い1年で技術をできるだけ盗み、この美容室を去りました。
仕事中毎日怒鳴られる
どんなことで怒鳴られたかというと、一緒にお客様の髪を乾かしていて、乾かし方が違う、後輩のミスを見ていなかった、仕事が遅いなど、初歩的なことでたくさん怒られました。
そして今まで怒鳴られた人の中でぶっちぎりで一番の大声。
アシスタントの子も他のスタッフも何かあるたびに怒鳴られていたので、いつもピリピリした雰囲気が漂っていて、泣いているスタッフも何度も見かけました。
今まで一人前のスタイリストとして働いていた私は自信を無くし、毎日のように怒鳴られるので私の自尊心は低くなり、自信を持ってお客様に接することができなくなってしまいました。
海外に来たのに長時間時間労働
採用当初は週3勤務希望でしたが、働き始めてすぐに、週6働けなければ他の人を代わりに雇うと言われ、0歳の子供がいながら週6、一日10時間勤務になりました。
今思えば、自分のライフスタイルに合わない職場は辞めればいいと思うのですが、当時はオーナーの技術を何とか盗むまで辞めるものかと思い、ベビーシッターを雇ったりしながら週6、時には週7勤務をします。
それでもベビーシッターを雇うので貯金はたまるどころか減る一方。
Don’t eat,Don’t sleep, Just work!
これは実際に私がオーナーから言われた言葉です。かなりのパワハラぶり!
彼女もクレイジーなほど仕事に情熱を注いでいる人でしたが、同じようにスタッフにも「食べるな、寝るな、働け」と言っていて従業員の生活のことなど全く気にかけていませんでした。
独裁的な彼女の経営に、すぐにやめてしまうスタッフはあとをたたず、私が辞めるころには私と、超穏やかなベテラン美容師の2人しかいませんでした。
学んだこと
当時は仕事に行くことがストレスで、毎日朝になると腹痛を起こしていました。
でもオーナーの技術は本当に素晴らしく、怒られても全く言い返す余地もないようなスキのない人でした。
そして日本で美容師をしていたとはいえこちらで求められる技術と違い戸惑っていた私は、自分の技術はまだまだ足りないと思い、働き続けていました。
ここで働いていた経験は私の糧になりましたが、お金も家族との時間も犠牲にしてしまったので、もう少し早めに辞めても良かったのかもとも思います。
お腹が痛くなるくらいストレスを感じる職場は辞めるのが正解です。
そしてどんなに仕事が出来ようが暴言などのパワハラには耐えるべきではありません。
まとめ
日本人は低賃金でも文句を言わずまじめに働き、英語が得意でない上に現地の法律にも詳しくはない、ブラック企業の悪徳雇用主にとってはとても都合の良い人材だと思います。
英語が得意でないと雇ってもらえない場合や、自分自身でそう思ってしまって挑戦しない人も多いと思いますが、意外とそうでない場合もあります。
せっかく苦労して見つけた仕事を辞めるのも勇気がいるかもしれませんが、せっかく仕事を辞めてまで来た海外で辛い経験をするのももったいないと思いませんか?
もしオーストラリアでキャッシュジョブや違法な賃金で働かせる悪徳雇用主に出会ってしまったら、フェアワークという機関に連絡するのもいいでしょう。
電話での連絡になるので英語が上手でないと大変な為、不安な人は英語が上手な友達などに協力してもらうのもありです。
こちらのウェブサイトでオーストラリアの雇用に関しての法律を調べることができます。
せっかく新しい経験や楽しいことをしようとワクワクしながらオーストラリアに来た皆さんが、悪徳雇用主の元で不当に扱われてしまうのは悲しいので、現地の仕事に関する知識や英語力をつけて頑張ってください!
最後までお読みいただきありがとうございました。