海外の美容師は下手なのか?日本人美容師のレベルについて

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海外に住む予定の方や住み始めたばかりの方は現地の美容室事情が気になりますよね。

海外の美容室で失敗したお友達などもいるのではないでしょうか?

実際に海外の現地サロンで大変なことになったというのはよく聞く話です。

そんな話を聞いたら日本人の美容師さんは、海外で働いたら高い評価を得られそうな気がしますね。

この記事では、オーストラリアで10年間美容師をして海外のいろいろな美容師さんの技術を見て来た私が、海外の美容師は下手なのか?また日本人美容師は本当にうまいのか?ということについて書いています。

この記事はこんな人におすすめ

・海外で働いてみたい日本の美容師さん

・海外の美容師のレベルが知りたい

・現地のサロンで髪を切ってみたいワーホリや留学生の方

海外の美容師は下手なのか?

日本人のお客様の間でよく聞く話が「海外で現地の美容室に行ったら大変なことになった」ということ。

そして日本人美容師の間で言われているのが、「西洋人の人は髪が細くて柔らかく、ちょっと切っただけでいい感じになるから技術はあまり必要無い」。

実際はどうでしょうか?

日本人が海外の美容室に行くと失敗する?

オーストラリアで何年も美容師をしていると、前回ローカルサロンに行って失敗されたというお客様の髪を担当することがありますが、カットラインはちゃんと切れている美容師さんも多いです。

ではなぜ英語が流ちょうに話せるお客様でも「失敗された」と思うのでしょうか?

①カットの形が違う

まず写真を見せたときに美容師は頭の中で切り方を思い描きます。

日本人は日本の髪型を切るのに慣れているので、日本の髪型を見ればだいたい切り方が想像できます。

海外の美容師も切り方を想像しますが、切り慣れていないスタイルだと普段切っている感じの切り方で同じような長さで切ってしまうことがあります。

これは逆のパターンもあるので、日本人美容師が外国の髪型の写真を見てカットしてもどこか日本風になりがち。

そして現地サロンの美容師さんは前下がりを切り慣れている方が多く、顔周りだけ前上がりにしたり、少しだけカドをとって柔らかくすることがあまりなく、どちらかというと鋭いシャープな感じに仕上がることが多いのが現地サロンの髪型の特徴です。

そこが日本人のお客様が「なんか違う」と感じるポイントの一つ。

②すき方が違う

日本人の髪質はボリュームがある人も多いので、現地サロンに行くとすきが足りない、またはすきバサミでランダムにザクザク切られたという人もいます。

西洋人の髪質は細くても多毛の人や、太くて多毛な人、カーリーヘアの人などいろいろですが、ほとんどの人に共通しているのが、日本人と比べて髪をすくのが好きではないということ。

量が多い人でも髪を根元や中間付近からすきすぎてしまうと、細かい毛がぱさぱさと出てきてツヤ感が見えにくくなってしまいます。

海外の美容師さんはすき方に慣れていないので、日本人のお客様がすいてほしいと伝えるとすきバサミでザクザク切られてしまうのだと思います。

③技術レベルが美容師によってムラがある

海外では日本ほどアシスタントの練習量や見習い期間が少ないので、元から器用な人は上手ですがそうでない人は技術がひどいことがあります。

どうひどいかというと、カットの形につながりが無い、毛先が一部ぱつっとなっていて異常に重い、左右が明らかに違う、長さを明らかに切りすぎているなど。

お店でセミナーや勉強会をしているサロンは常に技術が向上するので上手な美容師が多い傾向にありますが、安い美容室では教育にお金をかけられないため、美容師の技術の向上は美容師本人次第ということになります。

海外の現地サロンで失敗しないコツ

海外の現地サロンでも上手な美容師さんはいます。

現地サロンで髪を切ってもらいたい人向けのサロン探しと髪型のオーダーのコツはこちら。

①料金が安すぎない

料金が安いサロンは、施術時間を短くしてお店を回さなければいけないので一人のお客様にかけられる時間が短い場合が多いです。

もっとこうして欲しいなどの要望には応えてくれますが、お店を回さなければいけないので美容師が急いでいる場合が多く、カットに時間がかかりすぎるとオーナーからプレッシャーをかけられる美容師さんもいます。

そして髪が多いアジア人は時間が掛かりがちなので、こだわったデザインは作りにくいかもしれません。

②口コミがいい

Googleの口コミはとても役立ちます。同じサロンでも人によって技術にばらつきがあるので、Googleの口コミを見て同じ美容師の名前が何度も高評価で書かれていれば、その人が上手な可能性が高いです。

さらに美容師の名前が載っていたら、その名前の美容師を指名することをおすすめします。

口コミはできるだけ詳しく書かれているものを参考にしましょう。

③写真を必ず持って行く

写真の持参は必須です。

カウンセリングで見せる写真は必ず自分の髪質に近いものを持って行きましょう。

そしてその写真のどこが好きなのかを伝えます。

丸みのある形が好き、や顔周りのデザインが好きなど。

私はこの3つを実践して現地の美容室でカットをしたことがありますが、今のところ失敗したことはありません。

日本人美容師のレベルについて

どこの国よりもしっかり練習して、接客も世界一とされている日本人美容師のレベルは世界から見てどうでしょうか?

日本人美容師の得意分野

日本人美容師が海外の美容師と比べて優れているのはシャンプーを始めとするサービス全般。

髪をただ洗うだけでなく、耳に水ができるだけ入らないようにする気遣いや気持ちのいいマッサージが上手です。

また、髪をとかすこと一つとっても優しく引っ張りすぎないようにとかしてくれます。

また、現地のサロンと大きく違うのがカラーの前に頭皮オイルを塗ったり、耳キャップをしてくれる(現地サロンは耳キャップが無い)、カラー剤が顔周りにつかないように肌を保護する配慮をしてくれるところ。

日本人美容師が当たり前のようにアシスタント時代から教育されていることが、海外のお客様にとっては特別になるので、外国の方が日本人が働く美容室に行くと、サービス全般を気持ちよく受けることができます。

そして日本風のナチュラルなデザイン。

前下がりか前上がりかあいまいでどちらかというとふわっと丸みのある柔らかい髪型は日本人の得意分野。

そして美容師による技術の差も他の国の美容師ほど差は無く、平均の技術レベルは高めです。

日本人美容師の苦手分野

日本人美容師にも苦手分野はあり、その一つはお客様との会話。

海外の美容師に比べるとおとなしめな人の割合が多く、日本の丁寧な接客で失礼な言葉を使わないように気をつけるため、お客様との距離を縮めるのが苦手な人が多いです。

海外ではスモールトークという、ちょっとした世間話をする文化があるからか会話に慣れている傾向があります。

テンションが高くお客様を盛り上げるのが得意で、シャンプーなどの店販を売るセールストークも上手。

日本人の美容師は、控えめな気質からトリートメントや商品をおすすめするのは苦手気味。

技術に関しては、かっこいい、シャープなデザインやハイレイヤーを苦手とする美容師さんが多めです。

流行りの髪型にすることが多い日本では、ハイレイヤーが流行っていた時代からの美容師さんはハイレイヤーが得意、それ以降の若い世代の美容師さんはハイレイヤーが苦手な傾向にあります。

その他日本人美容師が海外の美容室で働いて苦労することについてはこちらの記事を読んでみて下さい。

まとめ

海外の美容師は下手と言われることがありますが、それぞれの得意分野、苦手分野があるのでオーダーしたい髪型が海外の美容師さんの苦手分野だった場合、失敗する確率が高くなります。

特にショートボブは失敗率が高め。

ナチュラルな髪型や量が多い人は日本の美容室が向いていますが、シャープでかっこいい髪型や海外ならではのデザインにしたい人は現地の美容室に挑戦するのも楽しいかもしれません。

海外で働きたい美容師さんは、今まであまりやってこなかったスタイルなどを練習しておくと、実際に海外で働いたときに役立つこと間違いなしです。

海外の美容師さんは決してみんなが下手なわけではなく、それぞれ需要が高く慣れている技術が違ういので、日本人特有の髪型をオーダーしてしまうと失敗したと感じる人が多いようです。

海外の美容室で働いてみたい人やお客さんとして利用してみたい人の参考になれたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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